メディアによる切り取りや捏造は国を滅ぼす

月に1回何とか更新しているブログで、今月は別のことを書こうと考えていたのですが、直前になってこの件に話題を変えることにしました。

共同通信による上川外相の発言の切り取り及び捏造についてです。

すでに本人が発言を撤回していること、切り取られた発言の内容に不快感を示す方もいると思うので、ここでは発言の内容については触れないことにします。

要はメディアが政治家の発言を切り取って問題かのように報じました。海外向けには内容を捏造して、発言の意図とは異なる意味に翻訳して報じています。

発言の内容の是非どころの問題ではなく、メディアが本来なかった発言をしていることにし、真実を捻じ曲げた報道をしているのです。この方が問題でしょう。

野党議員の一部もこの捏造された発言を批判するなどして、本人の名誉が傷つけられていると感じます。蓮舫議員などは過去に国会で学歴について差別的な発言をして、後に意図したことが伝わらなくて撤回したようですが、今回の件では比喩であってもダメだと猛批判しています。意図していなかった発言が広まってしまう気持ちがわかるはずなのに、自民党を責めるチャンスだと考えているのかもしれません。

不思議なのは野党では特に女性の活躍ということを掲げているはずなのに、自民党の女性議員への当たりが強いことです。とりわけ自民党総裁になる可能性がありそうな女性議員には厳しいです。これは日本初の総理大臣を自民党から出してはいけないという気持ちの現れなのかもしれないと思ったりします。

上川外相は法務大臣の時にオウムの教祖の死刑を執行したことでも知られています。先日はドイツに置かれている慰安婦像の撤去を頼んだとかで、色んなところに敵がいてもおかしくない状況です。おそらく今回の件は初めから何か不適切な発言に結びつくものはないか耳をそば立てて、発言の一字一句を検証している中で、これならいけると判断した内容だったのでしょう。

過去にいわゆる「女性の話は長い」発言でオリンピックの運営委員会を辞めるほどの騒動になった森元総理もメディアによる切り取り報道で追い込まれました。本来の趣旨とは異なる解釈がされ、当時のNHKのニュースウォッチ9ではアナウンサーが「謝罪しても辞任しても許されるものではない。」と強く批判していました。逆にいえば、この件のことがあったらこそ、上川外相の発言も切り取って強引に報道すれば社会問題化することができると判断したのかもしれません。そのNHKが去年の今頃にワクチン被害者の会の人たちをコロナで亡くなった人の遺族だと伝えるような歴史に残るくらいの捏造をしてしまったのですが。今回の共同通信の件もこれくらいの規模で酷いと思います。

もう1つ、これらの切り取り捏造報道で気にかかることがあります。それはいわゆる左翼支持者や野党の支持者以外でも一般的な普通の成人女性層の中に、切り取りであっても捏造であってもこのような発言は許されない、不快であるという意見がある程度出てくることです。その多くは「そう思っていなかったらこういう発言は出てこなかったはずだ。」というのです。しかし、もっと冷静になって考えて欲しいのです。そう思っていたというのは憶測に過ぎず、一方でメディアの切り取りは本来の意図とは異なるものを発言しているかのように報じているので、明らかにメディアの方が悪いことをしているわけです。その怒りや不快感があること自体を否定するつもりはありませんが、それ以上の怒りや不快感をメディアにぶつけてみてはいかがかと思うのです。結果、メディアは政治家の発言を切り取っても捏造しても怒りが政治家本人に向かっていくことを知っているので、嘘を辞めることができなくなっている部分もあります。ここは本当にまずは冷静になって悪いのは誰かを見定めていく必要があると思っています。

共同通信が今回の件で一線を越えてしまったのは英語版では本人の発言の意図とは異なる単語を当てて世界に伝えていることです。共同通信が産経新聞の取材に回答した内容にも驚愕しました。要は私たちがそう解釈したのでそのような単語に訳したというのです。明らかに本人が否定したことであり、SNSなどでも疑問視されている解釈にも関わらず、自分たちがそう解釈したら発言の内容を無視して一方的に世界に向けて伝えることができてしまうのです。先日、つばさの党というところが選挙妨害で逮捕されたようですが、この件だってそれ以上に超迷惑な選挙妨害ではないでしょうか。いわゆる行間を読むことと、なかった意図を勝手に付け加えて翻訳することは全く意味合いが違います。極めて悪質な行為と言わざるを得ないでしょう。これこそ謝罪しても辞任しても許されるものではないのです。

今後もこの手のメディアによる切り取りや捏造が続いていけば、メディアの信頼だけでなく、結果的に国を滅ぼすことに繋がりかねません。多くの日本人は騙されないだろうと信じたいところですが、ネットを見ない年配層などは軒並み都合の悪いことは報じないテレビだけを主な情報源にしていて、本人の自覚なしに印象操作や偏向報道に晒されて、文字通り洗脳されています。

記憶に新しいのは安倍元総理の国葬儀の是非について、当初はNHKの世論調査などでは賛成の方が多かったにも関わらず、メディアや野党による不安を煽りまくるネガティブキャンペーンの結果、数ヶ月後には反対する意見の方が多くなってしまったのです。昨今の自民党の裏金問題についても立憲民主党の議員にも同様の不記載があったにも関わらず、それは報じずに自民党の議員は悪いと言い続けた結果、3つのうち2つは自民党候補者が出馬しなかったとはいえ、先日行われた補選では3議席とも立憲民主党が獲得するという意味不明な結果になりました。裏金議員がいる政党に投票したくないのであれば立憲民主党に投票してもいけないはずなのですが。このようにしてメディアによる切り取りや捏造は真実を隠し、国を衰退させる方へと誘導していきます。

今後はメディアがどう健全化するかというよりもAIが台頭していけば、このような切り取りや捏造を行う大手のオールドメディアは淘汰されていく可能性があります。しかしAIの技術がフェイクニュースに使われてしまう側面もあるため、既存のメディアよりもAIを悪い方に活用させないことの方が大事になってくるかもしれません。そして多分、既存のメディアも規模を縮小しながら生き残っていくはずです。なぜなら今回のように切り取りだとわかっていても加担するような人々が急にこの世から消えるわけではないですし、すっかり洗脳されている人や読解力がない人もいます。嘘だとわかっていても下世話なゴシップ記事を好む傾向の人もいるでしょう。だから全く既存のメディアがAIに取って代わることはないような気がします。

本来メディアによる情報は人々の暮らしに恵みを与えたり、危機を回避したり、事前に備えたりするために役立つはずのものです。しかし、昔から切り取りや捏造が絶えず、今になっても同様のことを平気でしてきます。こうしたことも何十年か経てば世代交代してなくなってくると信じたいですが、少なくともしばらくは続いていくことを覚悟しなくてはなりません。

最後にどうすれば、メディアに騙されずに済むのか。意外なところに真実が隠れているのではないか、ということを考えてみたいと思います。メディアの人たちは結構勉強してその仕事に就いているはずです。なぜ平気で嘘が付けるようになってしまったのかというと、むしろ横道に逸れたような趣味の分野などを勉強してこなかった人が多いんじゃないかという気がします。お笑いというと幅が広すぎるのでどれをお勧めするか難しいですが、古典落語などに親しんでいれば、現代社会が何か無理していることや虚像などが見えてくるのではないでしょうか。立川談志さんが言っていましたが落語というのは人間の業の肯定だからです。

最後まで読んで頂きありがとうございます。