ホテルの従業員に嫌われる客と好かれる客

29.6.17

 このブログでは今のところ旅行やホテルのことについての記事が、他のより多めに読んで頂いているようなので、今回は独断と偏見で、ホテルの従業員に嫌われる客と好かれる客について書いてみようと思います。

 ※追記 『元ホテル従業員がこっそり教えるオススメの宿泊予約サイト』
 (こちらも良かったら見てみて下さい)追記は以上です。

 どちらも3つずつ考えてみましたが、好かれる客を考えるのは少し大変だったのでいまいちな部分もありますが、ご愛嬌ということで続きをお読み下さい。

 まず嫌われる客の方から書いていきます。

 これは意外かもしれませんがダントツ1位で嫌われているのは「香水を使う」お客さんではないでしょうか。

 特に海外から来られるお客さんの中には強烈な匂いを放つ香水を使用している方がたまにいます。

 なぜ嫌われるかといえば、客室に香水の匂いが残ってしまうからです。

 場合に寄っては部屋の中でも香水を使用したのか、より強力な香りとなって残っていて、次に泊まるお客さんへの迷惑行為ともなります。

 なんとかしてお部屋の清掃の際に匂いを消し去るために様々な道具や手段を使いますが、それでも取り切れない場合があります。

 日本では香水を常用している方が少数のため、きつい香水の匂いが部屋の中に残っていればそれだけでも不快に思うお客さんは多いです。

 特に禁煙ルームを指定してくるお客さんの中には匂いに敏感な人がいて、部屋を変えて欲しいと言われることもあります。

 本来は香水の使用自体をお断りしている張り紙などもしていましたが、せめて香水を常用する方はタバコを吸わなくても喫煙ルームを指定するくらいでいいのではないかと思っています。

 それくらいタバコよりも香水の匂いの方が苦手という方は結構いるようです。

 次にこれは個人的な意見かもしれませんが、「クレームをその場で言わないでネットに書く」お客さんは従業員に嫌われると思います。

 例えば、「歯ブラシの袋が開いていた。」と宿泊客が予約サイトのホテルのコメント欄に書き込んで5段階評価で低い点数を入れていたとします。

 これはホテル側からするとすごく困るんですよね。

 まず本当のことかどうかがわかりません。

 基本的に客室に置かれた備品等は清掃員や従業員が必ずチェックしているはずで、そうしたことは起こりえないのですが、ごく稀にあったとします。

 せめてそこでフロントに連絡するなどして、その時の対応が悪かったならそれを含めて書いてもいいと思いますし、きちんと対応したとしても不愉快だったなら仕方ないとは思うのですが、その場で言わないで後日ネットに書き込むというのは、言い方は悪いですが卑怯なやり方だと思います。

 本当に不愉快だったのかもしれませんが、冷静に考えて頂けるとわかると思いますが、嘘や勘違いだったとしてもネットの書き込みにはそのまま反映されるのです。

 その日にいってくれたら備品をチェックした担当者もすぐにわかりますし、もしミスをしていたら改善にもなるでしょう。

 しかし宿泊してその後しばらく経ってから指摘されても、その日の担当者はわかるかもしれませんが正直ピンと来ないと思います。

 その書き込みをした人はもしかすると、その時期に他にも複数のホテルを泊まり歩いていて、別のホテルであった出来事を間違えてそこのホテルのミスとして書き込んでいる場合もあるのです。

 コメント欄には返信していないホテルもありますが、もし100%の自信を持って歯ブラシの袋が開いていなかったと確信していても、それはお客様の勘違いですという返事は書けないと思います。

 やはり謝罪する内容で返事を書くでしょう。

 そういうことも起こりえますので、その場で言わないんだったら書かないか、書くつもりならクレームはその場で言うべきだと思いますし、それがマナーだと思っています。

 嫌われるお客さんの最後にあえて選んでみたのは「頭の悪い」お客さんです。

 例えば朝早くにホテルにやってきて、予約しました、部屋に泊まりたいんですけど、と言ってくるお客さんがたまにいます。

 荷物を預かるとか、どうしても特殊な理由で泊まらなければならないということでしたら対応することはあるかもしれませんが、まず普通に考えてもらいたいと思ってしまいます。

 自分がいたホテルでは多少なら早めでも対応していましたがチェックイン時刻が午後3時からで、チェックアウトの時間が午前10時でしたし、全ての予約サイトにも記載してありました。

 ところが朝8〜9時くらいにやってきて普通に部屋を使えるものだと思ってくる客がたまにいるのです。

 それも結構な家族連れで、夫婦の両方が残念ながら賢くない場合があるのです。

 普通に、前の日から泊まってるお客さんがまだ部屋にいると思いませんか?

 そこから清掃もしなければいけませんし、それを事前に何も言わないで部屋を使えるとなぜ思ったのか謎です。

 多分、この場合はそのお客さんにとってはインターネットでホテルを予約したというところで知力を使い果たしていて、むしろそれを誇りに思っているくらいの妙な自信すら感じます。

 こういうお客さんに限って急に、プランの変更をしたいから安くしろとか、子供が予定より多く泊まることになったから広い部屋を用意しろとか、面倒なことや無茶な対応を即座に求めてきます。

 あとは簡単な食事付きの場合のプランの案内だったり、駐車場を使用する際の駐車時間や料金の説明が、全く理解できないということがおそらく体感ですが1万人に2〜3人くらいの割合でいます。

 わからないだけなら根気よく説明したいと思いますが、そういう方は基本的に怒り始めてしまうので、何とか要点だけ理解してもらえればいい方です。

 それではここからはホテルの従業員に好かれるお客さんについて書いていきたいと思います。

 先程からホテル目線で都合の良いか悪いかの判断をしてるだけじゃないかと思われる方もいるかもしれませんが、そういう趣旨なのでここからもそういう感じになることをご了承下さい。

 まずは「禁煙ルームか喫煙ルームか気にならない」お客さんです。

 嫌われる方にも書きましたが、どうしても客室の匂いに敏感なお客さんよりは気にしていないお客さんは良く思われる傾向にあると思います。

 稀にですが禁煙の部屋でお客さんが勝手にタバコを吸って匂いが残っていることもありますし、多少なら匂いは完全に消し去ることはできると思いますが、完全さを求められるとよりハードルが上がってしまう側面は否めないと思います。

 一応、自分がいたところは喫煙ルームでもタバコの匂いを極力消し去るように努めていましたし、インターネットの予約サイトによっては禁煙か喫煙か指定できないところもありました。

 そのためチェックインの時にどちらが希望か直接お客さんに尋ねる場合もありますが、先に禁煙ルームか喫煙ルームが指定で予約が入っていて埋まっている際には選べない場合もあります。

 大手の予約サイトではまず予約の段階で選べるようになっているので、どうしても匂いに敏感な方はそちらを通じて予約をするのがおすすめです。

 そこで実際にあった話なのですが、ずっと喫煙ルームを利用されている常連のお客さんがいて、偶然その日は先に喫煙ルームが満室になってしまい、しかもその部屋のお客さんが連泊している都合があって、そのお客さんに喫煙ルームを提供できない状態になってしまいました。

 とはいえ、何年も利用して頂いている常連のお客さんですし、これは先程も書きましたが、稀に禁煙ルームでもタバコを吸うお客さんもいるため、なんとかして匂いを取るようにすれば大丈夫だろうということになり、その常連のお客さんには例外的に灰皿を渡して中で吸ってもいいという話をする予定になっていました。

 それでも一応、宿泊する部屋は禁煙ルームであることは伝えるということになったので、チェックインの際のその通りに伝えたのですが、そのお客さんがいうには、普段からタバコを吸っていないということでした。

 俺タバコの匂い気にならないから的な感じのことを言われた時に、まあ大した話ではないかもしれませんが、お客さん側からの神対応にめっちゃいい人だなと思いました。

 その後は指定がなくてもなるべく禁煙ルームを使ってもらうことにしましたが、こういうお客さんがいると結構な安心感があります。

 次にこういうお客さんは好かれると思うのは「意思表示がはっきりしている」お客さんかなと思います。

 これは長期滞在などで連泊するお客さんの時などに思うのですが、結構お部屋の掃除に入っていいかどうかが曖昧なまま出掛けていくお客さんが多いんですよね。

 掃除させると清掃員に手間を掛けさせてしまうという優しい配慮で、遠慮しているというお客さんもいるようですが、おそらくホテル側にしてみるとできれば毎日掃除に入ってくれた方がいいくらいだったと思います。

 確かに大事な荷物やプライベートの一部が見られてしまうようで嫌だというお客さんもいると思いますが、ホテルとしては客室を管理している手前、水道等の設備がきちんと機能しているかどうかも気になったりする面もあります。

 もし、水道管の水漏れを発見できれば帰ってくるまでに直すこともできますし、日々清掃に入ることで、部屋を清潔に保つこともできます。

 これがお客さんが夜中に帰って来て、水漏れがあった場合に対応できる従業員がいなかったり、清掃はいらないけどシーツだけ交換してくれというのも清掃員が帰ってしまってて、不馴れな従業員が対応することもあります。

 出掛ける際にきちんと意思表示をしてくれるか、連泊の始めの方で毎日掃除に入ることにするか、せめて3日に一回くらい入ってもらえるように決めてもらえると対応しやすくなります。

 万が一、貴重品が盗まれたりしたら困るという意見もあると思いますし、それはそれで当然かと思いますが、おそらくどのホテルでも貴重品の扱いに関する決まりみたいなのがあると思います。

 例えばお部屋に金庫があったり、フロントで預けるようになっていたりなど、手間はかかりますが、本当に従業員による盗難があるとすれば、連泊中の清掃を断っていても起こりうる場合もありますので、逆に貴重品を預けていなければ証拠も残らないため、その辺りの取り決めは十分に確認した上で、そのルールに従うことが大事かもしれません。

 最後に従業員に好かれるお客さんは「普通」のお客さんだと思います。

 いきなり格段にハードルが下がってしまいましたが、普通に泊まってくれて普通にチェックアウトしてくれるお客さんの全てがホテルにとっても従業員にとっても何よりだと思います。

 もちろん不満があればクレームは全然大丈夫だと思いますし、嫌なことがあったのに我慢して沈黙を守る必要はありません。

 私自身は過去にホテル以外でも色んなお客さん相手の商売や営業などもしたことがあるのですが、今のところホテルのお客さんが一番まともだと思っています。

 これはもしかすると、お客さんの側にとっても、自分の家ではない、いわばアウェーな場所にきて1日くらいかもしれませんが生活する時間を過ごす訳で、普通に泊まって普通にチェックアウトできれば何よりだという心理が働くからなのかもしれません。

 逆にいえばその不安なアウェーのような心理状態を上手く利用することが、接客する側の従業員の腕の見せ所かもしれませんが、その辺については以前に別の記事にしましたので今回は触れないことにします(リンクは気が向いたら貼りますが貼らないかもしれません)。

 ホテル側にとって都合の良いことばかり書いてしまいましたが、そのホテルや従業員によっても異なりますし、あくまでも参考程度にして頂ければと思います。

 ちなみに自分のいたところではチップのような習慣はなかったため、外国人のお客さんでも置いていくことはありませんでしたし、あったとしてもごく稀だった記憶があります。

 チップを置いてくれるお客さんがいればそれが一番なのかもしれませんね。

 あと自分で働いて驚いたのは意外と従業員にお土産を持って来てくれる常連のお客さんは多かったです。

 かといって無理して持参する必要はありませんが、これもそのホテルや従業員によって異なるとは思いますが、私自身は結構嬉しかったです。

 今回はこの辺で終わりにしたいと思います。

 最後までお読み頂きありがとうございます。

 
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