お笑い芸人の謹慎処分は事務所とタレントの問題 [闇営業と反社会勢力との交流は別の話]
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29.6.19
つい最近、吉本興業所属のお笑い芸人11名と他事務所の2名が謹慎処分を受けるという出来事がありました。俗にいう事務所を通さない闇営業でギャラを得ただけでなく、それが特殊詐欺のグループのパーティーだったということが問題になったようです。
加えて、同じ吉本に所属しているコンビのお笑い芸人も別の闇営業で、暴力団関係者がいたということで無期限の謹慎になるそうです。
どうでもいいようなことですが、闇営業自体は、事務所とタレントとの問題です。
例えば普通の仕事でも、掛け持ちを禁止している会社に勤めていて、こっそりバイトしているのがバレてしまって、謹慎処分を受けるのと同じことです。
吉本にしてみれば、闇営業を行ったタレントを解雇したいくらいの気持ちでしょう。
しかし、売れている芸人もいますし、あまり売れていない芸人もクビにしてしまうと業界的には変な影響も出そうですし、謹慎程度に済ませたくらいの感じかもしれません。
今回は闇営業先が特殊詐欺や暴力団だったということで、どちらかというと反社会的勢力との交流という部分で何かしらの処分を下さなければ示しがつかなかったのだろうと思います。
しかし、テレビニュースを見ていて、気になったのは、誰もその詐欺グループの個人名などは一切出ていないことです。
ワイドショーでは肝心な部分を報じてくれないので、詳しくは知りませんが、闇営業を発注したオレオレ詐欺の主犯格は逮捕されているという認識でいいんですかね?
その場合は、固有名詞を出して、何年前に詐欺で逮捕された○○容疑者が仕事を依頼したと報じても良いはずです。
闇営業よりもよほどひどいことをしてきたからです。
もし逮捕されていないのだとすれば、なぜその集団が特殊詐欺グループだとわかっていて誰も逮捕されていないのか?という別の問題が生じてしまいます。
反社会勢力との交流があることよりも、反社会勢力そのものがもっと悪いことをしています。
反社会的勢力の、勢力を弱める目的で、反社会勢力との交流を条例で禁止しているのですから、悪いことをした犯罪者たちの名前を出すことだって勢力を弱めるために有効ではないでしょうか。
これって相当おかしいなことではないかと思うんですよね。
反社会的勢力の方は、これからも闇営業をどんどん発注したとしても、名前を出されることもなければ、闇営業を発注したこと自体では罪に問われることは多分ないでしょう。
だったらこれからも闇営業を発注して、その場のお金欲しさに受けてしまったお笑い芸人がいれば、5年経っても謹慎処分になってしまうわけです。
マスコミがもう終わりの終わりになってしまっているのは、意図しているかどうかは別にしても、これからも闇営業が発覚した方がネタになる方向に持ってってますよね。
事実、スリムクラブの件がそんな感じになっています。
人前に出る仕事だからちょっと違うというのは当然あると思います。
それにしても3年から5年前の闇営業によって、今更になって処分されてしまうのはタレント側も理不尽な気持ちがあるでしょう。
悪いことをした時が一番悪いとすれば、その頃は普通にテレビに出ていたのに、5年経過して今は闇営業なんて絶対に受けないくらいピュアな人になっているかもしれないのに処分されてしまうからです。
最初に入江さんを解雇してしまったのが良くなかったと思うところがあります。
それによって、他の芸人たちはギャラをもらっていなかったという虚偽の説明をすることになってしまいました。
もしかしたら入江さんと同様に解雇されてしまうかもしれないと思ったのでしょう。
事実関係をもう少し掘り下げてから処分すべきだったと思います。
あと、島田紳助さんは反社会勢力との私的交流によって芸能界を辞めさせられたかのように、話を蒸し返しているのを聞いたことがありますが、その件は島田さん自身から引退を決断しています。
紳助さんはそれより数年前にも暴力行為で謹慎することがありましたし、復帰してからもマスコミにあることないこと書かれて嫌気が差していたようでした。
その件でも吉本側は謹慎後の復帰を予定していたと思いますが、島田さんの方からうんざりして芸能界を退いたような感じだったと思います。
その頃がちょうど反社会勢力との交流が東京都などの条例で禁止され始めた時期です。
そのため、島田さんの件は条例が制定される前の出来事でしたが、むしろこうした条例ができたという見せしめのように利用されてしまった側面もあったように思います。
そういう意味では、それから何年も経っているのに、反社会勢力の闇営業を行ってしまった芸人たちはより重い処分が下されるべきです。
相手が反社会勢力だったかどうか知らないというのは、気持ちはわかりますがそもそも闇営業をかけてくる時点でちょっと怪しいはずです。
吉本がそういう仕事を正規に受けてしまったら、会社が叩かれたり誰か責任を負うリスクがあるので、所属タレントもそういう面では危機管理が必要になります。
吉本が受けた仕事だったら、タレントは知らなかったで済むこともあるかもしれませんが、闇営業でそれは通用しないという話です。
でも、事務所の取り分などを考えると闇営業を受けたい気持ちはわからなくはありません。
それでもそれは事務所とタレントの契約の問題でもあるので、取り分が納得できないなら他事務所に移籍したり、独立することもできますから、言い訳にしてはいけないことです。
逆にいうと吉本はそれだけの取り分を搾取する一方で、仕事も取ってきてくれることもあります。
それだけ大きな企業になり、業界への影響力が増し、昔の芸人の破天荒さとは相容れないようになってしまったのかもしれません。
闇営業自体を行っているタレントは他にもたくさんいると思うので、今回は反社会的勢力かどうかということでの処分だったと思いますが、ビクビクしている人もいたでしょう。
抑止力にはなっていると思います。
これを書くと、流れ弾みたいになってしまいそうですが、山崎邦正さんも闇営業したことあるって昔テレビで言っていたような気がします。
ものまねのダブルなんとかってコンビがガキの使いか何かのゲストで出ていた時に、若手の頃、一緒に闇営業してた仲だったとか言っていた記憶があるのですが間違っていたらすみません。
処分を受けたタレントの中では、特に宮迫さんは毎週のようにテレビで見ていたので、急に昨日のアメトーークから見られなくなって驚きました。
まだ見ていなかった先週か先々週くらいの松本家の休日を見たら、処分前の宮迫さんが普通に楽しそうにUSJで遊んでいる回だっただけに落差がありすぎます。
宮迫さんはもっと評価されてもいいと思うくらい司会の回し方に無駄がなく上手いと思っているので、昨日のアメトーークでカットされている時はどうなるかと思っていましたが、皮肉なほど番組の編集も上手でしたね。
宮迫さんが映っていないので、違和感はすごくありますが、番組自体はよくできていました。
ネタを書いている芸人と書いていない芸人という企画自体がよくできていたのかもしれません。
ああやって見ると、蛍原さんも普段は結構いいことを言っているのにこれまではカットされていたのかなと思うくらいでした。
さすがにネタを書いている芸人と書いていない芸人の方の出演者の1人でも謹慎でカットせざるを得なかったら成立しなかったかもしれないですね。
CMは自動で飛ばしてくれる機能があるので見ていなかったのですが、スポンサーが降りてしまいほとんどACの宣伝広告になっていたそうです。
そこまで自粛する必要があるとは思えないのですが。
それだったら東日本大震災を報じる時に楽しいねと言ったアナウンサーや笑けてきたとか言った局や、熊本地震の被災地で弁当を買い占めたり、ガソリンスタンドの列に並ばずに給油した番組のスポンサーも降りて欲しいです。
というか、降りるべきでしょう。
下世話なニュースをやっている番組からもスポンサーは撤退して欲しいです。
話が長くなってしまったのでそろそろ終わりにします。
最後まで読んで頂きありがとうございます。