ビートたけしさんと『アウトサイダー』の話
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5.6.19
ふと昔に読んだ本のことを思い出しました。ビートたけしさんが出演しているテレビ朝日のTVタックルが月曜日の夜9時から放送されていた頃です。
今から20年前以上は前です。
番組の終わりの方で、ちょっとしたミニコーナーがその回にはありました。
作家の井上ひさしさんがこれまで読んできた本について書かれた著書が発売されるということで、レギュラー陣が今まで読んだ本の中で特に話したいものを一冊選ぶという感じでした。
ちなみに井上ひさしさんはひょっこりひょうたん島の脚本などでも知られていて、たけしさんとは同じストリップ劇場にいたことがあります。
ダンスショーの合間にコントをする時間があったそうで、その脚本などを執筆していたそうです。
その番組で取り上げられていた井上ひさしさんの本も読んだことがあります(あとでアマゾンリンクを貼るかもしれません)。
そのミニコーナーでたけしさんが選んだのがコリンウィルソン著『アウトサイダー』です。
理系の学部に進学していたたけしさんがあえて読んでみたかったようで、読んでみたけど内容がよく理解できなかったと言っていました。
たけしさんが読んでいた頃のアウトサイダーは絶版になっていて、番組で探すのが大変だったという情報もありました。
私はそれを見て、あのたけしさんが難しいと言っているのでよほど難しい本なんだろうなと思いました。
読んでみたいとは思いましたが入手困難ということで諦めていました。
田舎に住んでましたしネットもない時代です。
それが高校の帰り道に、田舎なので電車の本数があまりなくて、時間が空いてしまい今はない寂れたデパートの地下に一時的に間借りしているような小さな古本屋で全く同じ表紙の本を見つけました。
この表紙ですね。
書き忘れていましたがその頃は高校生でした。
値段は確か1000円くらいだったと思いますが、テレビで貴重なものと聞いていたので少ない小遣いから捻出して購入しました。
こんなことを書くと身元がバレる可能性がほんの僅かあるかもしれませんが、それからは学校の授業中にアウトサイダーを読むこともありました。
そんな高校生がいたんですね。
アウトサイダーの内容をざっくりと説明しますと、まずアウトサイダーというのはそういう教育を受けていないのに洞察力がある程度の高いところに達している人みたいな感じでしょうか。
様々な文豪や哲学者や舞踏家などについての評論文です。
罪と罰のドストエフスキーやロシアの舞踏家のニジンスキーのことなどが書いてあったと思います。
チャップリンが楽屋でバーナード・ショーの本を読んでいたとか、ダンテの神曲の考察や詩人のウィリアム・ブレイクや他にも様々な人物について語られているので、その後の本を読むのに参考になりました。
実存主義などの哲学の考察もあり、全てを理解することはできませんでした。
そもそも文字が古くて、骨へんに肉と書いて[体]だったりして、読んでいる途中で気が付くこともあったくらいでした。
著者のコリンウィルソンについては、中学卒業後は進学せずに、図書館に通って25歳でアウトサイダーを執筆しました。
自身が既にアウトサイダーみたいなものですね。
その後、友人の1人に何を読んでいるか聞かれて、アウトサイダーについて少し語ったら、文庫では今の漢字になっているのが出ているらしく、見せてもらったことがありますが、全く何が面白いのかわからないと言われてしまいました。
こうした経緯から世代ではないのですが、アウトサイダーを読み、そこから関連した本もいくつか読んだり、コリンウィルソンの書籍も何冊か読みました。
奇跡的に図書館の顧問の先生の趣味なのか、学校の図書室にコリンウィルソンについてまとめられた分厚い6000円以上はした新しい本が置いてあって、私が初めて借りたと思います。
コリンウィルソンが書いた小説があるようなのでいつか読んでみたいと思いながら、全く読んでいませんでした。
機会があれば読みたいとまだ思っています。
たけしさんがテレビで語っていなかったら、私の読書人生は大きく異なっていたと思います。
誤解を恐れずに言うと、コリンウィルソンの本は今の感覚でいうと漫画のハンターハンターを読んでいる時の感じに近いです。
人間の可能性を広げてくれるような洞察力のある言葉を読んでいると、漫画でものすごい強いやつが歯が立たなかったものすごい強いやつを倒すみたいな脳の快楽物質が出ている時のようです。
翻訳が良かった側面もあると思います。
また時間がある時にアマゾンのリンクをちょくちょく追加するかもしれません。
『オカルト』というその名の通りオカルトを扱った分厚い本もありますが、今だと解明されているものも随分ありそうです。
確かあれに載っていた(と思う)霊能力者の姉妹はかなり後になって告白していて、姉妹のどちらかがどこかの骨の部分を器用に鳴らすことができたらしく、それを霊現象らしくしたとかだったと思います。
脳科学や心理学の発展により、今では玉石混合の情報になってしまったかもしれませんがその時代の背景を思い浮かべながら読んでみるのも良さそうです。
アウトサイダーといえば、前田日明さんと脳機能学者の苫米地英人さんが開催していた不良の格闘技のイメージもありますが、個人的にはその前から読んでいるコリンウィルソンのアウトサイダーです。
話がそれますがユーチューバーのシバターも格闘技のアウトサイダーには出ていたようですね。
学生時代のたけしさんがどういう気持ちでアウトサイダーを読んでいたのか想像してみるとなんだか感慨深いものがあります。
この辺で終わりにします。
最後まで読んで頂きありがとうございます。