2ヶ月ほど前の話になるのですが、ワイドナショーという番組で、松本人志さんが指原莉乃さんにセクハラ発言をしたということで、炎上したような出来事がありました。
騒動は既に沈静化していて、その後もこの2人はワイドナショーで何度も共演しています。
これに関して、今更なのですが、前から思っていたことがあり、やっと記事にする時間が取れたので掘り起こすような形で、あらためて考えてみたいと思います。
きっと、どちらのファンの方もそうでない方も、もっといえばご本人すらこの件は望んでいないとは思います。
まず、この時の放送を私は見ていました。
この話はNGT48のメンバーが自宅の前でファンに暴行を受けたニュースの後のやり取りの際に起きました。
既にHKT48を卒業することを公表している指原さんが、卒業後もこういうことがないように何かしらの形で運営に関わっていきたいという流れがありました。
その流れの中で、松本さんが「お得意のからだを使って何とか~」の発言に繋がります。
放送を見てないで、発言だけを切り取って、叩いている人が多いんですよね。
セクハラ自体を助長したり肯定する意図は全くありませんが、冷静に少しずつ擁護してみたいと思います。
松本人志さんはお笑い界で天下を取っていると言ってもいいくらいの大御所だと私は思っています。
指原さんの運営に対する考えについては、それはそれで素晴らしいところもあると思います。
辞めた後も何とかしようとしているからです。
しかしですよ、ワイドナショーという番組にはニュースだけではなくバラエティ番組の側面もあります。
指原さんが、いい人ですね、で終わってしまったら番組らしくないのです。
そこをどうにかして落とさなければバラエティとしては成立しません。
しかも、指原さんの発言がいいからこそ、カットされずに使われる場面というか、番組としては使いたい場面でしょう。
ということは松本さんとしてはどうにかして落とさないといけないというか、落とすのが仕事みたいなところがあります。
そこで、その発言になるのです。
セクハラで相手を苦しめようとする意図は全くないと言っていいでしょう。
それに指原さんがそういったことをしていないからこそ、冗談になるのです。
これが洒落にならないという場合は、逆に指原さんがそういうことをしているみたいなニュアンスが漠然と含まれてしまいます。
過去にHEY!HEY!HEY!というダウンタウンが司会の音楽番組で、木村カエラさんが松本さんにアダ名を付けて欲しいと頼んだことがあります。
その時に付けたアダ名は「ケツ毛ボーボー」です。
これも木村カエラさんがケツ毛ボーボーでコンプレックスを持っていたらセクハラ発言になります。
そうではなく場が盛りがって楽しければ笑いになります。
問題があるとすればケツ毛の場合と、枕営業を示唆するような体を使うという言い方のエグさの違いはあります。
それについては、昔からテレビで活躍している松本さんでも使っていい言葉がだんだん厳しくなってきている時代の流れを見誤った部分はあると思います。
でもなあ、と思うのです。
逆に何十年もテレビで活躍してきて、それも強引にでも落とさないといけない場面で、あり得ないことだからこそ冗談として言った一言で、大炎上してしまうというのは可哀想だと思いました。
昔はもっと過激な言い方でも大丈夫だった面もあるかもしれませんが、それを度外視したとしてもこれまで何十年も松本さんは謝罪しなければいけないくらい追い込まれるようなことは言わないでやってきたのです。
99.9%以上は問題にならない発言をずっと続けてきたのですから、もう少し配慮してあげてもいいのになとも思います。
別の側面で考えると、昨今はスマホが普及して、大衆的な意見が強くなる傾向があるように思います。
若い層だけではありませんがダウンタウンの面白さを理解していない上に、なぜ今もこんなに活躍しているのか疑問視している人たちがいるのかもしれません。
その一方で、AKB48などのアイドルはそうした層には人気があり、支持されている場合もありそうです。
それで何が起きているのかというと、おそらく松本さんと指原さんでは、指原さんのほうが芸能人として格上だと判断している層が少なからずいるということです。
先日のワイドナショーでも今年の新卒へのアンケートで、理想のタレント上司のランキングがありましたが、松本さんよりも指原さんのほうが順位が上でした。
指原さんの方が格上だと思っている視聴者にしてみれば、体を使って発言は確かにひどいと思われても仕方ないかもしれません。
SNSでは年配の政治家のちょっとした言い間違いも許されない時代になってきているので、衰えにより的確な言葉が瞬時に出ないことは考慮されません。
中年層も含みますが、こうした若い世代が自分たちの感覚で裁いているからです。
きっとそうした世代が年を取って衰えを感じ始める時まで、それは続くと思います。
その時には更に若い層が許さないでしょうから、そこで自身の過去を振り返ることにもなるでしょう。
目上の人やその道の専門家の言葉を推し量るということはだんだん失われていくのかもしれません。
その時に大衆から選ばれるスターは、本当に人格や人徳みたいなものを備えているでしょうか?
棒倒しにたくさんの人が群がり、民衆から選ばれたカリスマ的な存在がその上に立っていて、棒を倒してしまった途端に何もかもが終わってしまうような儚い光景を見るかのようです。
誤解されてしまいそうですが、誰かを批判している訳ではありません。
自分と異なる価値観や意見に出会った時に、なぜそうなったのか少し想像力を働かせ欲しいと思っています。
世の中には頭のおかしい人もいるので、全員のことを理解しようとする必要はありません。
少なくとも、テレビで長年活躍していて、そこまで大きなトラブルや犯罪もなく、たくさんの仕事をやり遂げた人と意見が異なる場合は、少し冷静に考えてみた方がいいのではないかということです。
ワイドナショーの話に戻すと、あの発言自体は松本さん自身でも後になって、カットしてくれと言えないくらいすべっていた話ということなので、理解するというのとはまた違うかもしれませんが、ひどい言葉で苦しめようとする意図はなかったことは明らかです。
そうでなくても、松本さんが何か言えば叩きたい人がいるのも事実です。
個人的には、あの番組が終わってしまうとフジテレビで見るものがなくなってしまうのと、松本さんもそれなりの覚悟で引き受けている仕事だと思うので(デメリットがあるのも承知の上で)、その時の番組を見ていなかったり、発言だけを切り取って叩くというのは1人の視聴者として少し残念に思うところがあります。
あとは制作の側もこれは問題になると判断して、事前にカットしていればそういうことにはならなかったと思うので、その辺ももう少し目を光らせて対応していれば良かったと思います。
重ねて、誤解されないようにして頂きたいのですが、セクハラ自体は良くないことだと思っています。
ただ、その件がそこまで叩かれる出来事だったかといえば視聴者として疑問に思うところがあったので、あらためて考えてみることにしました。
冷静に考えて欲しいのですが、その出来事のきっかけはアイドルの自宅前での暴行のニュースですから、女性を尾行して暴行するほうがよほどひどいことだと思います。
でもこういう話は的確に伝わることもないのかなとも思います。
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