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痴漢の冤罪について思うこと

| 27.7.17
 今回は痴漢という犯罪行為について、疑問に思っていることなどを書いてみたいと思います。

 法律に詳しい訳ではないので、間違ったことも書くかもしれませんがご了承下さい。

 痴漢は刑法176条の強制わいせつ罪というものにあたるそうです。

 公然わいせつ罪という言葉も聞いたことがありますので、いずれにしても痴漢というのは公然の場で相手の意に反して一方的に性的な行為に及ぶことということになるのではないでしょうか。

 電車やバスなどの公共の乗り物の中で起きるというイメージがありますが、暗い夜道とかの道ばたでも起こりうることもあるかもしれません。

 法律に関して素人なので、ちょっとよくわからないのですが、人の少ない道ばたで行われる痴漢と、混雑している満員電車の車内で行われた痴漢は同じ罪になるのでしょうか。

 あまり具体例を挙げると生々しくなってしまうので避けるとして、この道ばたで行われた痴漢と満員電車での痴漢は触り方やその身体の場所は全く同じだとします。

 これでもし、どちらも同じ刑罰に処されるとすれば、実はアンフェアなのではないかというのが個人的に疑問に思っていることです。

 なぜなら混雑した場所で行われる痴漢と、周りに人がいない痴漢では後者の方が明らかに意図的に行われている可能性が高いと思うからです。

 いやどっちもいけないことで犯罪なのはわかっています。

 しかし痴漢行為については冤罪もあると聞きますし、冤罪であっても捕まれば会社での地位が損なわれたり、無実であることを証明することが難しいようです。

 結構前に映画で痴漢の冤罪を扱った「それでも僕はやってない」という作品がありましたが、今でもその状況はそれほど変わっていないと考えられます。

 そういう意味からも、満員電車の中の痴漢も、それが偶然、手が当たってしまったとか、痴漢した本人が確実に捕まえられるならまだしも、冤罪を生んでいるからにはもう少し融通を利かせるべきだと思います。

 誰もいないような夜道で逃げる女性を追いかけてまで行われた痴漢と、満員電車では事情がかなり異なっているということです。

 おそらく法律が先にあって、電車が交通手段として大勢の人が利用するようになった出来事の方があとになっているため、痴漢の罪に関することはこうした夜道で行われる悪質で明らかに犯罪の意図があるものと、そうでないものが同じ罪として裁かれている異常な事態を生んでいるのではないでしょうか。

 そもそも満員電車は、利用する人と提供できる車両の需給バランスによって、混雑した状況が生じています。

 そこに通勤するために混雑してても利用せざるを得ない人が乗っていて、ある日突然やってもない痴漢行為で逮捕されてしまっては可哀想で仕方ありません。

 もちろん被害にあった人がいればそれも可哀想ですし、本当に意図を持って痴漢行為を行った犯罪者がいれば罪に問われるべきです。

 しかし問題だと思うのは、会社に出勤するためなどの否応なく混雑した状況に遭遇している状況の中で、そこでも夜道で人がいないようなところで行われた悪質な痴漢と、同じ犯罪として処分されて同等の刑罰が下っているとすれば、やはりおかしいのではないかということです。

 これを他の犯罪に例えてみますと、電車の中にたくさんの商品が置かれていたとします。

 そこの電車は変わっていて、貨物列車の中にお客さんが乗るような感じになっていて、人はそれほど乗っていませんが、色んなものがびっしりと積み重ねられています。

 それがたまに崩れ落ちてきて、偶然カバンに入ってしまったりした場合でも窃盗罪に問われるようなものです。

 ましてや、色んなものが積み重ねられている車両に乗らざるを得ないのは、乗客の都合でもあり運行会社の都合でもあります。

 これをスーパーやコンビニなどでの商業施設内における窃盗と同じように処罰してしまってもいいのでしょうかということです。

 もちろんこの場合でも、故意に車内のものを奪って自分のものにしてしまえば窃盗罪でしょう。

 しかし車内に盗むものがなければ窃盗罪も起きなかったのです。

 電車マニアの場合はまた事情が異なると思いますが、通常の場合に電車を利用する目的は移動したいからです。

 それが同じ時間帯に利用する人が多すぎるために、ぎゅうぎゅう詰めになっているのは需給バランスのミスマッチで、物理的な車両の数や運転手などの都合もあるため仕方なく、そうせざるをえないために、そうしているだけのことです。

 確かに事前にそれを知ってて利用しているということになれば、ある種、乗客と交通会社の間には同意があった、混んでいることを受け入れて利用していると考えることもできるでしょう。

 それでもやはりそれはわざとではないにしても、作り上げられた混雑状況なので、そこでの痴漢行為が、人のいないところで追いかけてまでして行った痴漢と同じ法律や刑罰で処分されるのは乱暴なような気がします。

 それでいったら、会社の都合で社員同士の距離が近すぎる「満員会社」とか、「満員学校」とか、「満員喫茶店」があったとすればそこでの犯罪行為も通常の犯罪と同じように扱われることになります。

 そのため、やはりこうした混雑した状況という場合は、そうでない場合と切り分けて、別の法律を作成して、混雑具合を目安として、本当に犯罪が行われたかや、本当にその人が痴漢したのかを含めて、その可能性の度合いも考慮された上で、罪を軽くしたり重くしたりすべきだと思います。

 そうすれば混んでいるところに行くことがリスクとなり、鉄道会社は混雑を解消するように対策したり(今も取り組んではいるでしょうけど、鉄道会社が任意に行っている印象があるので業界として義務づける等)、利用する側もなるべく混雑しているところへは行かなくても済むように様々な選択肢が選べるようになっていくといいかと思います。

 もっと根本的な話ですが、「痴漢」とは「痴女」の男バージョンのような言葉です。

 熱血漢という言葉もありますし、漢は男性を表しています。

 これは男女平等が叫ばれている時代の中で、もちろん痴漢はいけないことですが、痴漢は男がするものという決めつけがなされている訳で、看護婦が看護師という言葉に置き換わったり、スチュワーデスがキャビンアテンダントに置き換わったように、言葉を置き換えるべきかもしれません。

 「痴人(ちじん)」とかでもいいのではないでしょうか。

 言葉狩りを行うような意識の高い(と勘違いしている)人々がこうした男性側の差別を放置しているのはいかがなものかと思います。

 話がそれましたが、法律というものが世の中の発展などによって、意図したものとは異なる状況になってきた場合にはなるべく早急に、その状況に対応するようにしなければいけません。

 法律というのは簡単には変えられずに時間がかかるものかもしれませんが、満員電車は何十年も前から存在していますし、それに上手く対応できないまま今も満員のところとそうでないところの痴漢が同じように裁かれているのは、法律の不備ではないかと疑問に思っています。

 痴漢に関する冤罪などは実際の被害者にとっても、本当の犯罪者を取り逃しているので、これはこれで誰にとっても気持ちの悪い出来事です。

 そして何もしていないのに、ある日突然、犯罪者にされてしまった側にとっても、とても理不尽な出来事です。

 こうしたことが防犯カメラを設置する等の、電車会社の対策にだけ任せるのではなく、法律的な観点からも、冤罪は防がれる仕組みにするべきです。

 人口密度というか、その電車内の人の密度によって、刑罰が変わってくれば(密度が高い程、犯罪が軽くなるなど)、被害者になりえる側では混雑した場所を避けるのが賢明だということになります。

 またそうすれば、混雑した場所では痴漢する人が増える可能性もあるため、それがバランスの難しいところですが、冤罪が起きてしまっている以上、これはそういう方向で改善する方がいいのではないかと思うのですが、できれば根本的に混雑した状況自体がなくなっていくことが望ましいと思います。

 今回はこの辺で終わりにしたいと思います。

 いつも最後までお読み頂きありがとうございます。

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