懸賞の罠、ひどい出版社

5.3.17

 今存在してるかどうかはわからないのですが、10年くらいは前だったと思うのですが、様々な懸賞や公募を一冊にまとめた雑誌が売られていて、買って帰って、その中のいくつかの賞に応募してみたことがあります。

 確か、中には有名な小説の賞や有名な作家が審査員をしているものもあったのですが、当時は短い内容のものしか書くことができなくて、賞に合わせて応募するというよりは、自分が書いた短編小説を応募できる賞はないかという目的のために、その雑誌を読んだ記憶があります。

 そういった短編ものになった途端に、名前を聞いたことがないような出版社が主催している賞だったりするのですが、当時はそこまで深く考えずにいくつか応募した訳です。

 すると、その中の一つの出版社から電話がありました。

 大賞や入賞まではいかなかったものの、佳作に選ばれましたと言われました。

 その時だけは本当に嬉しい気持ちになりました。

 その雑誌には大賞や入賞ならいくらか賞金があるのですが、佳作が選ばれるというようなことは載っていませんでした。

 記憶が曖昧ですが確か賞金はあるのか聞いた覚えがあるのですが、佳作は賞金がでないようなことを言っていたと思います。

 その時に書いた短編の内容が、当時はニンテンドーDSが発売されて大人気で品切れが相次いでいるという状況だったので、その頃に流行っていた脳トレのソフトが、学校の勉強の分野へも波及していって、そのゲームをやってるかどうかで学力に著しい格差が生じてしまい、国が義務教育の小中学生に税金でゲーム機を買い与えるべきかどうかというところまで検討しなければならなくなった、という感じの内容です。

 現実っぽい内容だけど、明らかにフィクションですし、それだけだと真面目な内容になりすぎるため、明らかにこれは作り話だということがわかるような題名であったり、ちょっと大げさなことも書いたり等の工夫も多少しています。

 その担当者が言うには、私が受賞したのはエッセー部門だと言うのです。

 そこでおかしいなと思い始めるようになりました。

 それが事実だとしたらニュースでやってるだろうし、作中で国が対応しようとしているそのプロジェクト名を私が勝手に命名しているのは意味不明すぎるという感じでした。

 また記憶が曖昧で正確には覚えていないのですが、多分、後で知ったのだと思うのですが、その出版社の賞には短編小説とエッセーの部門があったようなのです。

 要するに出版社の人が勝手に、その短編小説を現実だと勘違いして、それがなぜかエッセー部門の佳作を受賞したということなのです。

 それでも、その時はどちらかというと私の方で、逆にそれが現実じゃなくて小説ですよと言ってしまうと、せっかく佳作に選ばれたのが無効になってしまうのではないかということが脳裏によぎったりもしました。

 ただそれで賞をもらってしまうとあとあとややこしいことになりそうなので、その場で素直にそれが小説だと伝えました。

 すると、その担当者は、まるで現実だと思わせるような見事な内容だった、小説としても佳作だというような明らかに、作品もちゃんと読んでないのも分かるような、いい加減な対応だったと思います。

 既に私はその時点ではあやしいとは思っていましたが、半信半疑で話だけは聞いてみることにしました。

 そのあとは確か、資料を送るので、それを見ながら話をしようというようなことを言われて、終わったと思います。

 数日後に実際に書類が送られてきました。

 それに目を通したところ、ああそういうことかと、ある意味で納得することができました。

 それは自主出版するための見積もりだったのです。

 正確な金額は忘れてしまいましたが、出版するだけなら自分で業者を探して頼んだほうが明らかに安くつきそうな値段でした。

 そこで私はこの出版会社などをネットで調べてみました。

 そこにはその出版会社に限らず、同じような自費出版で多額の金額を請求する類いの話がいくつか出てきました。

 実際に本は出版されても、その出版会社が契約している本屋の片隅に少しの間置いてもらえるだけで、到底利益や収入には程遠い内容でした。

 それでも出版会社としての仕事はしていますから、詐欺に問えるかどうかは難しいというのも見ました。

 それらのことを踏まえた上で、後日かかってきた電話の手口もほぼ同じだったので、丁重に駄目な理由を伝えてお断りしました。

 最後の方では、広告代がかかるからどうしてもこの金額になるというようなことを言っていましたが、どうして何から何まで負担しなくてはならないのか、出版会社だけが利益を得る仕組みなのか、そもそも自費出版するつもりはないというようなことを伝えたら、結構相手の方が熱くなって俺らはこんなに頑張っているんだみたいなことを言っていましたが、馬鹿らしくなってきました。

 それからも度々資料が届いたり、電話が鳴ったりしたことはありますが、全てスルーしている内に何も来なくなりました(2、3年は何かしらあった気がします)。

 もちろん自費出版自体を否定するつもりはありませんが、これは本来は自費出版をしたい人が依頼してこそ成り立つ業態のものです。

 これは明らかに、出版会社にとって物を書く人がお客さんになっている関係です。

 おそらく賞に応募する人は、自費出版会社のお客さんになるのが目的ではなく、読者というお客さんに読んでもらうことが目的でしょう。

 ちなみにその出版会社では自費出版した人のランクみたいなものがあって、その貢献度に応じて、会員になると仕事をもらえるようなことが資料に書いてありました。

 その資料自体にも、その会員が依頼されて書いた文章みたいなのが載っていたのですが、おそらく原稿そのままで、出版会社からの手直しはほとんど入っていない、いかにも自己満足な感じのひどい文章だったのを覚えています。

 正確な金額はわかりませんが、数百万円支払って、数万円の仕事をもらっている感じだと推測しています。

 だからお客さんの機嫌を損ねないように、文章は基本そのまま掲載しているのだろうと思います。

 逆に言えば、その人はお金持ちかもしれませんし、物書きという肩書きをある意味ではその出版社から買ったことにもなります。

 本が売れなくなったと言われるこの時世に、本が売れなくても儲かっている出版会社があったということを知りました。

 多分、10年くらいは前の話なので、当時でも厳しかったでしょうし、今も成り立っているのかわかりませんが、この情報化社会の中にこうした隠れたビジネスが存在している(もしくはいた)のです。

 その後も、ここほどひどくはないにしても、また賞金なしの佳作に選ばれて、選ばれた人同士で短編を載せて、一人いくらで出版しませんかという内容の書類が届いたこともあります。

 懸賞に応募する際には当選した場合などに住所や名前や電話番号などの個人情報を記載する必要があり、今では対策されているところも増えてきたと思いますが、それを逆手に利用して、賞金をもらうどころか、応募した人から金を得ようと企む人がいることには注意する必要があると思います。


 


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