今回はそんな驚くような話でもなく、ふと、こんなことあったなと思い出したことがあったので、書いてみようと思いました。
それでも修羅場のような話でもあるかもしれません。
前にも、ホテルのフロントで働いていた時の話を書いたことがあるのですが、その時のことです。
私が働いてる途中で無くなった制度なので、今も無いと思うのですが、最寄の駅の観光案内所の中に、まぁ正式名称は覚えているのですが、ちょっとぼやけさせて書くと、観光連盟みたいな人がいて、その観光案内所に来た人がホテルなどの宿泊先を探している場合に斡旋してくれる役割の方がいました。
その連盟の人がお客さんの泊まりたい条件などを聞いた上で、その連盟に加入しているホテルに連絡して空室状況を確認して、空いてれば予約もしてくれるのです。
そこでちょっとしたルールがあって、予約が取れた時点でお客さんはまず、その連盟の人に一人当たり千円を支払うんですよね。
そして、連盟の人から、千円支払った証明のようなものとお客さんやホテルの名前が記入されている紙を渡すので、お客さんはそれを持ってホテルに来る訳です。
チェックインの時にその紙を受け取って、千円の差額の宿泊代をもらう(他のホテルはわからないのですが自分のいたところは前金だったので、そのタイミングでもらう)のです。
で、ある日、なぜかブラジルから日系人の方が多く訪れる時期がありました。
時期といっても2~3日以内の期間内ですが、実際に自分のいたところでも、日系人の団体客の予約が入っていて、そもそもその予約は自分が受注して担当していたりもしたので、最初はブラジルから電話がかかってきたり、その後メールなどでやり取りしていたと思います。
ちょうど、その日系人の方達がチェックインされて出掛けたくらいのタイミングだったでしょうか。
その連盟の方から電話がかかってきました。
日系人の方とその娘さんが宿泊できるツインルームはないかということでした。
空いていたので、予約を受けることにしました。
連盟の方からお客さんの名前などを聞いて、到着を待つことになります。
しかし、しばらく経ってもお客さんは来ません。
予約が取れればそのまま先に観光名所を訪れる方や、食事や飲みに出掛ける方も結構いるので、そのこと自体は珍しくはありません。
あと、たまにですがチェックインしないお客さんもいます。
せめてキャンセルの電話でももらえればいいのですが、色々見ているうちに他のホテルを見つけて、ここでいいか、となってしまう方もいるのでしょう。
なのでその千円はある意味では斡旋料でもあり、ある意味では額は少ないですが取りっぱぐれないための性質のものなのかもしれません。
その時のお客さんは連盟の方の話ですと、結構な年配のお父さんと日本語も英語も一切話せない娘さんということでした。
道に迷って来られない可能性もあるなと思いつつ、他の業務をしていると、事前に聞いていた通りの親子というか祖父と孫のような感じの二人と、見知らぬおばさんが一人でフロントにやって来ました。
どうもこの見知らぬおばさんが道に迷っている老人と孫娘を見かけて、おじいさんの方が多少日本語が話せることから意気投合して、観光案内までしてきて、それからホテルまで連れてきてくれたようです。
これだけだと、そのおばさんはかなり良い人なのですが(実際に良い人なんでしょうが)、ちょっと面倒くさそうにしていて、二人を置いて帰りたそうにしている感じがするのです。
そのおばさん(というか年齢的におばあさんくらいの感じ)にも予定があるのかもしれませんし、夕方は過ぎていたので家に帰りたいのかもしれません。
ところがここでちょっとしたトラブルが起こります。
日系人のおじいさんは連盟からもらってきた紙を持ってきたのですが、それを渡すと、差額の宿泊代金を支払うことを拒んだのです。
おじいさんが言うにはそこで全額払ったと言い張るのです。
しかし、おじいさんが支払ったのは千円だけです。
その紙に書いてある千円の領収額を見せて説明しますが、それでも支払ったと言って断固として譲りません。
これはちょっと困ったなと思って、仕方がないので、無関係の地元のおばさんに話を振ってみることにしました。
一人千円で泊まれるホテルなんて普通ないですよね、というようなことをそれとなく言ってみました。
このおばさんもそれに同意してくれれば、おじいさんも納得してくれそうです。
ちなみに孫娘の方は完全に外国人っぽい見た目の人で、おじいさんともあまり関わりたくないような様子でした。
おそらく、日本に連れていってもらえると聞いて、嫌々ながらおじいさんと一緒に来たのでしょう。
死んだような目でぼーっと突っ立っています。
ちょっと体格が大きい娘さんでしたので、ずーん、というような感じでしょうか。
一応、孫娘の方にも話しかけてはみたのですが、やはり事前に聞いていたように英語が通じないようでした。
やはり、ここはこのおばさんの協力を得たいところです。
おじいさんはこのおばさんには心を開いているようですから、これを逃す訳にはいきません。
しかし、このおばさんの反応にはがっかりさせられました。
「今までこんなに苦労してきたというのに、本当にこの方は苦労してきたんですよ。」
というような感じのことを何度も言うだけです。
道案内の途中で意気投合して、多少観光案内までしてくれたのかもしれませんし、そこでそのおじいさんの苦労話を聞いたのかもしれませんが、本当に余計な感じでした。
おじいさんはそのおばさんの様子を見て、ますます強固な姿勢で、既に全額払っていると言って聞いてくれません。
冷静にその光景を見渡してみると、中央には、千円(二人で二千円)しか払っていないのに、その証拠も残っているのに断固として譲らないおじいさんと、自分から見て左側には死んだような目をして、ぼーとしているぽっちゃりとした外国人女性と、右側には、余計なお世話のおばさんが、この方は今まで苦労した人生を歩んでいてやっと日本に来れたのに、また苦労させるのですかと言ってる状態です。
まともな人が誰一人としていません。
何かシュールなものを見せられているような感覚でした。
その後は正確には覚えていないのですが、おばさんが半ば強引に帰っていって(右側は出口に近い場所だった)、それからも譲らないおじいさんに対して、ちょうど同じホテルに宿泊していた日系人の団体客の何人かがフロントに部屋の鍵を取りに戻ってきて、そこで上手く娘さんの方にも話をしてくれて、誤解が解けて料金を支払ってもらったような気がします。
まぁ、なんてことはない話なのですが、結構インパクトに残っている出来事だったので、一度、活字にして振り返ってみようと思ったので書いてみました。
たまにはこのようななんてことはない話を書いてみたかったのと、今後も書いてみたいと思ったので、笑える話とかではないかもしれませんが、感慨深く何か感じるものがあればいいなと思っています。
あと全然関係ないですが、その日系人の団体客はほとんど年配の女性だったのですが、支払いがクレジットカードで、ほとんどがプラチナカードより上でした。
ダイナースの黒いやつはプレミアムカードというらしいのですが、その時に初めてみたような気がします。
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