金運が上がる財布の話
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27.12.16
住んでるのが田舎の方だからかもしれないけど、たまに新聞のチラシで金運が上がる財布の通販のを見かけることがあります。しかしかなり胡散くさいですよね。
必ず成功者の体験談が載ってたりします。
真面目に考察する必要もないかもしれませんが、その成功者はどういう経緯で体験談を載せることになったのでしょうか。
やっぱり新聞の折り込み広告を見て購入し、その後に宝くじが当たったりなんかして、これはすごいってなって、わざわざその財布の販売元に連絡したんでしょうか。
販売してる会社も連絡を受けて、ではチラシの方にその体験談を載せてもいいですか?と許可を取り、わざわざ本人の写真(だいたい顔写真も掲載されてるので)を撮影しに行ったか送ってもらうかして載せているのでしょうか。
あと、例えば1億円当たったと連絡して来たとして、本当かどうか確かめたのでしょうか。
まぁ、嘘ですよね。
では仮に本当に宝くじが当たったとします。
そうだとしてもそれは財布のお陰なのでしょうか。
確かに金運が上がる財布を買ってから宝くじを購入したらその後に当選したとすると、財布の効果のように思えなくもない。
しかし、財布を買ったことと宝くじが当たったことの間には因果関係は成立していません。
そのタイミングでその売り場で宝くじを買うためには様々な巡り合わせがあったと思います。
例えば、自分の前に並んでいた人が100枚買うつもりがお金を忘れてきて、10枚しか買えなかった。
そのお陰で当たりくじが買えたのかもしれません。
もっと掘り下げて考えてみると、その前の人や前の前の人、宝くじを売り場に運んだ人、その宝くじ売り場をその場所に設けた人、ものすごい偶然が積み重なって、そのくじを手に入れることができたわけです。
ではとりあえず、前に並んできた人がお金を忘れてきたこと一つだけとって考えても、金運が上がる財布が不思議な能力で、その人にお金を持ってくることを忘れさせることができるでしょうか。
その財布は生き物でなければ機械でもありません。
それを遠くにいる段階で、何のカロリーも消費せず、電力にも頼らず、発熱もしないで、その人にお金を忘れさせるようにコントロールする性能を持ってたとしたら、大発明です。
実際には金運が上がる財布を持ってたから当たったのではなく、巡り巡って偶然買えたから当たったのです。
製品には製作の過程があります。
電化製品などでも組み立てが終われば機能するようになります。
金運が上がる財布はどの段階で、金運に効果を及ぼすのでしょうか。
想像ですがパートのおばちゃんが手作りで、糸を縫っている最中でしょうか。
それとも最後まで仕上がって財布として使えるようになった瞬間からでしょうか。
それとも既に材料として工場に置いてある時からでしょうか。
きっと、初めからも、それからもずっと効果はありません。
そうでなければ、財布を作っているパートのおばちゃんから金持ちになっていき、販売元の会社は売る前から在庫を抱えれば抱えるほど金運が上がり、売る必要がなくなるでしょう。
年に数億円稼いでいる株取引のトレーダーの中にその財布を持っている人は一人もいないと思います。
金運が上がる財布は黄色や金色にしてみたり、なんとなくそれっぽい雰囲気にしただけのただの財布です。
その財布のせいで金運が下がったことを証明したとして、もしかしたら代金は返してくれるかもしれませんが、損失分の補償は一切してくれないでしょう。
金運が上がる財布を買わなければ、その代金の分だけ得したと思うことにしましょう。
そして、目の前の胡散くさい広告に騙されることがなくなれば、その方が本当に金運が上がる一歩を進んだことになると思うのです。