●義援金が資産運用に使われていた噂など
東日本大震災の際に、赤十字社に集められた義援金がすぐに使われることがなく、被災者への救援ができていないという話を聞いたことがある。
それどころか、その数百億円規模で集められた寄付金を運用して利益を出していたという噂もあった。
実際、自分もテレビで見ていて違和感を覚えたことがあった。
どこだかわからないけど海外にある、赤十字社の本部の代表が来日した時のことだった。
その代表は女性で真っ赤なドレスを着ていた。
まだ地震が起きて間もない頃で、被災者への仮設住宅すらできていないか、できていても全然数が足りていないくらいの時のことだった。
その上、集められた義援金がほとんど被災者に届いていないという状況で、わざわざ海外から来日して、対応に追われている国会議員等にわざわざ会いに来る必要があったのだろうか。
その後、資産運用していた件は否定している記事をどこかで見た気がするが、本当かどうかの根拠に乏しかったか、それすら気のせいだったかもしれない。
それから5年経過した今でも、果たして募金はきちんと被災者や被災地のために使われたのだろうか。
東日本大震災で集まった分は、他への流用がなかったのだろうか。
きちんと使われたとしても、もっと効率良く使えたりしなかっただろうか。
赤十字社以外でもたくさんの義援金を募っていたが、その多くがどのように使われたのか、ほとんど知られていないし、知らせていないような気がする。
東日本大震災以外の震災や自然災害でも本当に募金はきちんと使われているのだろうか。
●そもそも募金はきちんと使われているのか
先程から「きちんと」という言葉で、義援金がその集められた意図を歪めることなく、被害に遭われた方々へ使われてきたのかという疑問を抱いているが、ここでいう「きちんと」とはどれくらいのことを表しているか説明したいと思う。
募金には、その特定の地域で起きた具体的な災害、例えば地震や台風や竜巻について集められることもあれば、世界のどこかにある貧困であったり、様々な種類が存在している。
昔から気になっていることが一つある。
貧困のある地域での慈善事業はずっとやっていて、今もやっている。
飢餓がともなう程の貧困はいつになったらなくなるのだろうか。
それには具体的に費用がいくら必要で、どれくらいの年月を必要としているのだろうか。
ただただ食料や医療を提供しているだけでは貧困はいつまで経ってもなくならないだろう。
慈善事業をしながらも、その貧困を根本的なところから解決していかない限り、例えば産業や金融機関が発展していかない限り、その地域の救済には結びつくことがない。
世界銀行など、別の機関がそういう面で対応している可能性もあり得るが、ここ何十年で、具体的にどこどこの国や地域が慈善事業によって救われて、今は貧困から脱却して、先進国のような構造を持った社会になりましたというのを聞いたことがない。
何十年でも貧困地域は貧困を抱え込んでいるのに、根本的な解決をしようとしないのならば、かなり偽善的な要素と、活動を続けるために、むしろ食料を与え続けることしかしないようにしているのではないかとすら勘ぐられてしまうような疑念が生じてしまう。
問題が解決すれば、その募金は同じような問題を解決するために使われるか、義援金を募る必要がなくなっていくかするはずなのに、ずっと同じ地域の同じ問題でお金を集め続けているとしたら何のための慈善事業なのか見直さなければいけないと思う。
問題を解決するために使うことが「きちんと」した使い方だと思う。
●どのような仕組みで問題を解決するか (1) 初期対応
では慈善団体はどのような仕組みを持ち、行動すべきなのか。
話を自然災害に戻して具体的に考えてみることにする。
ある日、国内で大規模な地震が起こり、被害が甚大である場合、まず空路を確保して食料などの生活必需品を迅速に届けたい。
規模が大きな慈善団体ならヘリコプターや小型のセスナ機などは所有するか、緊急時に確実に借りられるような契約を結ぶことは必須だと思う。
悪天候などで飛ばせない場合もあるかもしれないが、まずマスコミの情報に頼るようでは正確に被災の状況を把握できないし、時間もかかってしまう。
まず、荷物はそれほど運べないかもしれないが、道路などが寸断されている場合もあるため、空からの救援活動は必要だと思う。
それと平行して、陸路からも救援物資を届けられるようにすべきだ。
時間がかかるのは仕方ないが、だからこそ空路からも救援物資を運んでいる。
できることならば、機関の枠を超えて、情報を共有できる専用のコミュニケーションツールがあれば良いと思う。
こちらもマスコミや一般のSNSの情報を待たずして、既に現地を行き来している人のみが責任を持って発信して、ここの道路は通れないとか、そのためガソリンが想定より多く必要になるとか大事な情報を共有できることが理想だ。
場合によっては一般の人が閲覧できたり、状況が変わり次第すぐに伝達できればもっといいが、非常時に嘘や不安を煽る人がどうしてもあらわれてしまうため、そうしたことにも配慮したものにする必要がある。
できれば、救援物資だけでなく、通信機器や動画撮影も可能な機器も搬入して、被災者の方に情報を発信させることも大事だと思う。
何度も言うが、テレビは全くあてにならない。
むしろ不安と混乱を増強させてしまっている。
通信が不可能でも撮影したものを持ち帰るなどして、ネットで公開すれば、被害の状況や、被災者が必要としているものがより正確に伝えられると思う。
以上は被災地への初期対応として、次に復興に向けた取り組みについて考えてみる。
●どのような仕組みで問題を解決するか (2) 義援金を被災地に届ける
これまでにも書いたが、義援金がきちんと被災地に届いているのか怪しい。
テレビでの寄付金を募っているのは、窓口が大手の慈善団体だったりテレビ局だったりする。
テレビ局はさすがにきちんと流用せずに全額を渡していると思うが、それでも渡す先はやはり慈善団体である。
それなら国であったり、地方自治体が被災した時のための専用の口座をあらかじめ作成しておくことはできないだろうか。
国や地方自治体だから不正はないということはないだろうが、そこへ募金する分には確実に被災地には届いていることになる。
あらかじめ、作成して口座番号を公開していれば、テレビ局はわざわざドラえもん募金とか、なんとか地震の窓口を設けることなく、その被害にあった自治体の口座に寄付を募ったらいいと思う。
被害が甚大であれば、その自治体自体が機能せず、義援金が使われないという問題が生じる恐れはあるが、そこはあらかじめ専用の口座を作る前提であるので、そうした場合の取り決めもしておく必要もある。
例えば、口座にお金が向かうだけではなく、災害認定された時点でその自治体には、自動的に無利子の地方債が少なくとも一億円以上発行されて、それを購入するようにするとか、事前に作る仕組みであるので、柔軟に対応できる手段が望ましいと思う。
● どのような仕組みで問題を解決するか (3) 復興を大前提にして円滑に進める
東日本大震災で対応が遅れたことの一つには、大量に積み重なった瓦礫や流木や土砂の撤去などをどう対処するべきかが決まっていなかったことがあると思う。
建物を建築して町並みを復興させる前には、これらの瓦礫を取り除かなければいけない。
建築業者がいきなり訪れても、何をしていいのか、勝手に瓦礫を処分していいのか、どこへ処分するのか、手をつけられる状況ではなかったり、そうした状況が長く続いたであろうことは想像に難くない。
ということは、大規模な災害にはまず、瓦礫の撤去をなるべく速やかにする必要があるということだ。
とはいっても、所有者に無断で撤去していいのか、所有者はよくても誰のものかもわからないものが敷地内にあれば判断できなかったり、そもそも所有者が被災していて連絡が取れない場合もある。
あ
これらの問題は、非常時の対処法が法律化されていることが望ましい。
これがベストという判断基準はないかもしれないが、明らかな瓦礫は早い段階で撤去され、物品についてはどこかにひとまとめ(土地柄や人口の規模では甚だ困難ではあるが)にして、被災者が自分の所有権を主張できるようにする(嘘を言う人もいそうだが)などの取り決めはあって然るべきであると思う。
そうした上で、(2)に書いた義援金がそもそも被災した自治体の口座に向かうようになっていれば、そこで公共設備の補修や被災者への支援が公的機関によって可能になる。
そうなれば義援金の使途も明らかになる。
慈善事業団体は、貧困などの解決は別としても、自然災害については、よほど大規模で統治する自治体が消失するなどの事態が起きない限りは、寄付金を集めるのではなく、被災地の要請によって、被災者の救援に徹するスペシャリストであって欲しいと思います。
いずれにしても、今後も大規模な自然災害が起こらないとも限りませんし、これまでとは違った、もっと確実に復興することを念頭に置いた、あらたな対応方法や仕組みが必要だと考えています。
今回はここまでにしますが、今後もまた思うことがあれば書いてみようと思います。
最後までお読み頂きありがとうございます。
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