昨日の記事で偶然かもしれないが潰れたコンビニやスーパーでは店員の接客態度が悪かったということについて書きました。
その際に私個人が接客業をしていて、会社からその手のセミナーをたまに受講するように言われて何度か行ったらその内容がひどかったということも書きました。
今回は接客業における認識の誤りと顧客満足度があてにならないということについて書いてみようと思います。
そして少しですが自分なりに考えて教えていた方法についても書くつもりですが、もったいぶるつもりはないのですが書かない方がいいと思っている部分があるのでそこは内緒にしようと思っています。
まず接客業には大きく分けて2種類あると思います。
その2つの両方をする仕事もあれば、どちらか一方だけになっていることもあります。
まず1つは礼儀作法です。
デパートや旅館などで従業員が恭しくおじぎしたりするのがそれに当たります。
接客業というよりは身振り手振りで施設の品格を上げたり、お客さんの期待度を下げないという感じです。
ちなみに個人的にはお客様という言い方があまり好ましくないのでここではお客さんで統一します。
もう1つはお客さんと直接コミュニケーションを取る作業です。
直接会話したり電話やメールなどでの対応がそれに当たります。
接客のセミナーに行くと大抵は前者がメインで後者もあるけどグダグダという印象でした。
まず礼の角度がどうとか笑顔の作り方とか、そういうのは個別の業種や会社に合わせて行うのが正しいと思います。
なので色んな業種の人が集まるセミナーでその前者のやり方を教えられても、業種や会社によっては不適切な場合があり、時間の無駄だったのです。
印象に残っていたことの一つを例に挙げると、Yシャツの選び方について講師が一方的に話していたのですが、会社によっては制服で着るものが決まっている場合があります。
そのセミナーでは同じ白でも明るい白のYシャツを選べというのですが、Yシャツを着ない会社の人たちの方から不満の声が聞こえてきたことがあります。
だとすればそれはやはり個別の会社でやってもらうとして、接客業を語るには後者についての内容がメインであるべきだと思います。
ところがそういったセミナーでは何十年も前のマニュアルだったり、根拠のない精神論に始終していて何の役にも立たないというのが現状だと思います。
まず接客業で、お客さんを満足させるということがそもそもの間違いなのです。
よくインターネットでの通販サイトやテレビでの保険会社のCMなどでは、顧客満足度が業界で何位だったとか、利用している人の何%が満足していると答えたなどの統計について表示されていたりします。
しかしこの顧客満足度というのはどれだけ信頼できるものでしょうか。
過去にその顧客満足度が高かった家電量販店から何度も買い物をしたことがあったり、何%の人が満足しているという損保会社に加入していたことがあります。
しかしこれまで一度も、顧客満足度の調査が私のところにきたことはありません。
そりゃ全員じゃなくて一部の人にアンケートをお願いしているんだよと思われるかもしれませんが、だとしたら顧客のうち90何%が満足したなんて結果は納得ができません。
もしかしたら小さい文字で書いてあるのかもしれませんが、堂々と顧客の何割にアンケートを実施した数値ですと書かなければ、そんな会社が信用できなくなり満足度どころではありません。
もっといえば顧客が満足するということはないと思っています。
この製品やサービスについて値段相応だったとか、十分に役割を果たして特に不満はないということに過ぎないのです。
人間が満足するということは通常では起きません。
なぜなら人間の満足は現実の世界では実現不可能なところでも満ち足りることはないからです。
例を挙げて説明してみましょう。
例えばあなたはビジネスホテルに宿泊したとします。
値段の割りに客室もきちんとしていますし従業員の態度も良かったとします。
しかしこれは先程の十分だったということであって満足ではありません。
偶然あなたの好きなアイドルがテレビ番組の企画か何かで、そのホテルのフロントで働くことになって間近で見ることができればその方が満足度は高いはずです。
もっといえば、有り得ないことではありますが、そのアイドルが今晩同じ部屋で一緒に過ごしてくれるならもっと満足度は高くなります。
そうでなくても宿泊代が無料だったり、宿泊したら1億円もらえるホテルだったら満足度はとても高いです。
馬鹿馬鹿しいと思われるかもしれませんが、どこまでいっても人を満足させることは不可能だということを伝えたかったのです。
そうすれば、接客のセミナーでもっと笑顔で明るく元気にしてないと顧客は満足しませんと言ってることがもっと馬鹿げていることに気が付くと思います。
ではどうしたらいいんですか?とそういうセミナーの講師なら接客業では禁じ手の威圧感ですごく聞いてきそうですが、それについては考えていて過去にも実践して後輩に教えたこともあります。
それは顧客には満足ではなく安心感を与えなさいということです。
先程、満足は無理だと書きましたが、顧客に安心感を与えることは十分に可能です。
それでも人それぞれですから何をどうしても安心しないお客さんはいると思いますが、満足に関しては一人もしていないのですから、たまにいる不安だらけの人のせいで全否定されることでもありません。
ではお客さんに安心感をどうすれば与えることができるでしょうか。
まずはお客さんと話しをする業務であれば、お客さんの話をよく聞いて、そのお客さんよりもゆっくり話して下さいと教えています。
できれば声音もお客さんよりは低いほうがいいと思いますが、まずはそういうところから教えています。
電話での対応でもその方が問題が解決したり、物を売る場合では成約率が明らかに上がります。
元気よくハキハキと話していても、お客さんはそんなに安心しません。
むしろ落ち着いている従業員の方が安心感は増します。
本当はもっと安心感を与える禁断の秘儀とでもいうような方法もあるのですが、無料のブログで書いてしまってあとあとそれが一人歩きしてしまっては責任が取れないので今回は触れないことにします。
ただそうすることによって、明らかに接客業が雰囲気ではなく、お客さんにどう接するかがかなり明確になる手段だと思っています。
簡単にいうと初対面のお客さんであっても、心に介入する方法でもあると思うのですが、だからこそ無責任には書けないという感じです。
心に介入すると書けば、何か怪しい洗脳の技術かと思われるかもしれませんが、目的はお客さんに安心感を与えることですので、この場合はお互いにとって良いことだと信じています。
特段、不要なものや高額な商品を買わせるということではありませんで倫理的には問題ないと思っています。
ちなみに過去に何人かには教えたことがあるのですが、それを理解することができる人はいませんでした。
どうしてそんなことでお客さんに効果があるんですか?と言われたりしましたが、そういう質問をしてきた時点でそこまでの詳しい説明はしないことにしています。
あくまで信じてくれて実践してみるか、興味があるようだったらその理由なども教えようかと思ってはいたのですが、接客業をしていて接客業にそこまで興味がある人はなかなか少ないのが実感です。
少し話が逸れましたが、接客業はその種類にもよりますが、環境次第ではとても面白いです。
一定の同じ場所で業務ができるなら、こちらがホームグラウンドで、お客さんはアウェイです。
逆の立場でもこちらをホームにする方法なども考えたこともありますが、自分が働いていた時は常にこちらがホームグラウンドだったので、それで従業員がお客さんに安心感を与えられなかったらその方がおかしいのです。
そこでおじぎの角度を気にしたり、笑顔で元気に無理に振舞おうとしたら逆にお客さんにとっては違和感があり、警戒されてしまうことになりかねません。
接客のセミナーや講習などで言われていることは、紛れもなくお客さんのために良いと思ってしていることのはずです。
それは結局は会社が利益を上げるための方便かもしれませんが、従来のセミナーや知識は何十年も前のマニュアルで、何の役にも立たず、むしろ会社が利益を損なっている可能性もあります。
もう少し接客業が見直されて、隷属的ではなくて、同等かそれ以上の立場であるような職種であるように見直されることを望んでいます。
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