こういう資格制度があったらなという話
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3.1.17
井上ひさしの作品に「吉里吉里人」(きりきりじん)という小説がある。これは東北のある村が日本から独立して一つの国家になった話で、読んだのがかなり前なので詳しいことは忘れてしまったが、その国では独特な風習や仕組みが形成されていた。
その中でふと思い出したのが、吉里吉里人は風邪ぐらいでは病院に行かないというような内容だったと思う。
その理由は、そこで暮らす一般人は医療の講習を受けていて、風邪などのそれほど専門の診断が必要でない疾患に対しての知識を持っていて、自分やその家族へ治療などの対処が行えるからというようなことだったと思う。
たまたま思い出したのは、以前に別のことを考えていた時に、そういえば吉里吉里人にもそういうのあったなとこれを書く直前に脳裏に浮かんだからだった。
その以前に考えたことというのが、自分では現時点で実現することが不可能なことで、また現状では予算などの関係で政治家とかでも誰もやろうとしないだろうと思えるような内容ではあるけれど、それなりに世の中にとって良い提案ではないかと考え、自分の中だけでしまっておくのもあれなので書いてみようと思いました。
今現在、身分証明書で明らかに有効なのは自動車免許証ですね。
パスポートや保険証、マイナンバー制度などで代わりになることもあるでしょうけど、優先順位として一番有効だと思います。
でも自動車免許は誰でも持ってる訳でもなく、それでいて発行には警察も絡んでくるので公共性が高いともいえます。
しかしこれから先、自動車免許を取得する人は減っていく傾向にあるようですし、それにマイナンバーが代わっていくのかもしれませんが、もっと何かこう、こういう資格制度があったらなと思ったことがあるので、それについて書いてみようと思います。
それは消防や救急、警察や医療、年金や税金など、そういうものの知識や技能を学ぶ講習のようなものを国が設置してくれて、それを修めると資格になり、免許が交付されるというものです。
交付に公的機関が関与することで、自動車免許なみの公共性を担保できますし、できればそれ以上に信頼性の高い免許証にしてくれるのが理想です。
どれか一つでも受講したのち試験や面接を経て合格すれば免許が発行されて、例えば消防の次に警察の勉強が終われば、一つの免許証にまとめて記載される。
こうすれば企業の採用面接に行く際に、提示できればその人の情報としてもかなり有効なものを示すことができると思います。
学校を出て無難に就職が決まってずっとそのままでいいという人はそういうのはなくてもいいかもしれません。
他にも、親の家業を継ぐとか、起業するとか、一芸に秀でている等、必要の無い人は受講しなくてもよくて、あくまで任意で受講したい人が受ければいい資格制度にします。
そうすることで、なかなか就職が決まらず職歴の欄に空白ができてしまったとか、仕事を辞めて次の仕事に就くまで期間が空いてしまったなどした場合に、ハローワークがやっている職業訓練は受けようとは思わないが、国が社会を維持するために努めていることやその制度についての知識や技能を学ぶことはとても大事なことだと思います。
できればそこに自衛隊を加えるのもいいと思います。
そうした資格制度を設けることで、規模の大きな災害などが発生した場合などに、自分はここまでならできますと瞬時に提示することが可能です(免許証を紛失している可能性もありますが、どこかにデータとして残っているといいですね)。
震災などの自然災害が起きた際に、救助する側が不眠不休の状態でありながら、その役割が果たせないために、じっとしているというのがもどかしいという思いに駆られる一般の方もいるのではないでしょうか。
また、この先は日本では人口が減少していく傾向にあり、特に若い人の割合が少なくなっていきます。
資格を得る過程で、ある程度まで(雑務など)やってもらうことができれば、人手不足の解消にも繋がりますし、一般人でも緊急時には一定以上の知識と技能を有しているということは、かなり有効なことではないかと思います。
最初の方にも書きましたが、実際どのように予算を捻出して、どのような仕組みで運用するか等の具体的な提案はできませんが、世の中にとって有用なことだと思ったので公開してみました。
将来的には人口減だけでなく、情報機器やAIの発達によって仕事も減るといわれていて、実際その兆候は既に表れてきている部分もあるかと思います。
そうすれば全ての人が順調に働けるとは限らず、職歴の欄に空白が生じるということは、むしろこの先、増えていくと思います。
その一方で、空いた時期に国のためになるようなことを学ぶ意欲がある人の気持ちを損なわずに、資格として残るものがあれば、そういう面での評価が次の仕事で採用されるためのいいきかっけになるような世の中になればいいなと思っています。
最後までお読み頂きありがとうございます。